新卒から定年まで小学校の教師として勤め上げてから(恵子さんは一年早く退職)、二拠点生活を始めた川尾さんご夫婦。2008 年から、大空町と東京とを行き来する “デュアルライフ” を楽しんでいます。まだまだ多拠点生活をしている人たちがあ まり多くない中、13 年前に大空町と出会い、どうやって新しいライフスタイルを始めたか、お話を聞かせていただきました。

二拠点生活を始めたのは、いつごろですか?

37 年間、小学校の教師をしていました。
60 歳で退職してからなので、もう 13 年ですね。
4 月の終わりから 11 月末までいる、そんな暮らし方です。

定年を機に、北海道と東京の半分の生活になりました。 東京では文化的な面にふれられたり、友人と居酒屋でのんだり、半々の生活も楽しいなと思っています。

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もともと二拠点生活に興味があったんですか?

(哲也さんが北海道深川市の出身なので)退職したら北海道に戻りたいという気持ちが強かったんですね。ある年、大空町の友人を訪ねていたときに、近くの家が空いていると教えてもらったのが始まりでした。 冬の間は、管理をして下さってありがたいです。
東京の方の家は、息子たち家族が住んでいます。冬場に我々が戻ると、ぎゅうぎゅうにはなるんですが(笑)。 住所は東京のままなので、家族が郵便物や請求書関係を確認してくれるなど、助かっています。

13 年前というと、二拠点生活されている方はあまりいなかったですよね?

まだ、そんなにいませんでしたね。 もともとは、夏の間は、東京に住んでいる孫たちに田舎の生活を体験させたいという想いがありました。遊びに来たときは、フロックス(日帰り温泉)や、ひがしもこと芝桜公園のゴーカートや、弟子屈町の砂湯など、 近場で遊ぶのが好きなんですよ。

最初の頃は、遠出もしていたんですが、クルマでの長距離移動になってしまうので、孫たちはどこか遠くへ遊びに行くよりも、庭の畑で芋を掘ったり、トマトをとったり、収穫が楽しいみたいですね。

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大空町では、どんな生活を送っていますか?

二拠点生活が始まった最初の頃は、よく知床や屈斜路湖に遊びに行きました。気軽にいけるのがいいな、と。 大きなカヤックも買いましたね。北海道の温泉めぐりに出かけたりもしました。

やはり、季節ごとの収穫の楽しみがあるのがいいですね。 ビニールハウスは、友人の手ほどきを受けて建てました。 自分たちの畑で、トマト、きゅうり、とうもろこし、枝豆など、おいしいものが食べられるのは、シアワセなことですよね。草取りは、大変なんですけど(笑)。 このあたりでは、自分たちや家族や仲間が食べる分くらいの畑を持っている人が多いですね。

買い物が必要なときは、近所のスーパーでだいたい済ませますね。町外から週1回届く定期便を取り寄せているので、不便は感じていません。

ただ、クルマがないと駄目ですね。 ずっとここに居られるかなっていうと、少しだけ不安にはなります。

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これまでに、なにかお困りごとはありましたか?

カラスが巣を作ってしまって、子育ての時期は攻撃されて大変でした・・・。
傘をささないと農作業ができないほどでしたね。

行政にお願いしたら、木を切って下さり、自分たちの敷地の方は費用を出して切ったりして対策したんですが、それでもカラスは来ますね。

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大空町に住んでみて、一番の楽しみは?

畑仕事などで身体を動かしていると、元気になれますね。
夢中になったのは、パークゴルフ。無料で出来るので、毎日行けますし、とても気持ちがいいです。ちょっとした温泉もあるので、そこにも寄ったりします。

仲間たちと、毎週火曜日と金曜日は卓球を楽しんだりしていますが、何よりも、近くに住んでいる友人が最初に助けてくれたことが大きかったですね。

その友人や農家さんたちと、二拠点生活が始まって1年後に、週末の野菜市を一緒に立ち上げました。
毎年 6 月から 10 月末までは、その市場の店長をしていまして、ジャムクラブも仲間と活動しています。

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編集部あとがき

東京に住みながら、夏の間だけ大空町で過ごすライフスタイルのご夫婦。今でこそ二拠点生活は馴染みのある言葉になってきましたが、14 年前からされていたというのは、驚きでした。
それぞれの町の良い部分を両方楽しまれているお二人は本当にイキイキとされていて、心から憧れを抱きました!この記事を 読んで、刺激を受けて移住を検討する人が増えるかも?