左官職人だった父親に憧れ、小学生の頃から将来は大工になると心に決めていた佐々木 裕哉(ユウヤ)さん。その夢を叶えるために、18 歳の時に十勝から大空町へ移住しました。職人時代を経て、社長という立場になり会社を牽引する佐々木社長にお客さまの夢を共につくることやその心構え、大空町への想いについてお聞きしました。

子供の頃からの夢を叶えるために、大空町へ移住したんですね

大工をやりたくて、母方の叔父さんを頼って大空町へ来たんです。
進学と就職で悩んで、高校卒業後に十勝から移り住みました。

小学校4年生の時の文集にすでに「大工さんになりたい」と書いていました。私の父親がタイル、左官職人で、元々つくることが好きだったんです。私の祖母の弟が弊社の会長になるのですが、相談したら紹介されたのが斉藤建設でした。それ以来、6 年間住み込みをしながら建築関係の職業訓練校に通い、建築の CAD を覚えつつ仕事をしてきました。その後、事務仕事が嫌で大工になったはずが、結局社長になったことで余計に事務仕事を勉強しなくてはいけなくなり、大変な思いをしました(笑)。

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どんな建物を主に建てていますか?

住宅の新築やリフォームがメインです。移住者の方が始められた『晴耕雨読』は、自分が直接関わりました。
今回の心の原動力は、工芸が好きな奥様で、やりたいという信念があるお客様。予算が厳しくても応援の気持ちが強く、やりがいと達成感も強かったですね。予算足りないところは、自分で動くことでコストカットできたんです。カウンターの壁を抜いて、こじんまりとしていたキッチンをハリを抜いて大きくしたり、カウンターに使う木にこだわったりと、ご要望に応えられるよう考えました。

場所がわからなくても、今ならスマホで見つけられるので、見つけてみてね、みたいなメッセージを込めるのもいいかなと思い「隠れ家」というコンセプトを提案したところ、『隠れ家カフェ』というサブネーミングをつけてくれました。落ち着く空間だとお客さんに評判のようで、私もうれしいです。

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移住を考えている方も、家の相談に乗っていただけるんですね。

先代の社長が大切にしてきたのが、「例え予算が少なくとも、家の中でも一ヶ所くらいは大工の職人技術を活かし、こだわりを持って演出をしてあげたい」という思い。今もその考え方と技術の伝承をしています。そのような考え方で今後もお客さまのために一生懸命取り組み、これからも頼られる建築屋さんでいたいですね。

先日関わった一軒家では、こだわって予算をやりくりしました。その方は、何度か家を建てていて、絶対に失敗したくないと。遠隔のお客様だったので、メールで何度もやり取りしながら、要望を察して動きました。最後に、お客様に『全部佐々木さんに任せておけばよかったな』とお褒めのお言葉をいただきました。

建築はお客さまの家族の人生に関わることでもあるのだと感じます。責任を持つようになるとなおさら、正直仕事は 1 から 99 まで辛いことも多いものです。それでも最後の 1% に、全てが報われるような喜びが詰まっていると、私は感じています。

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お仕事を通じて、大空町の魅力を再発見したそうですね。

大空町は人の繋がりの温かさを肌で感じる機会が多いですね。生活で困った時に助け合える仲間がいるという安心感があります。例えば、車が壊れても知っている車屋さんが迅速に対応してくださったり、そういう大空町の繋がりはすごく魅力ですね。

そして、自然の景色が美しいですね。湖の夕陽や網走の海、藻琴山から見る屈斜路湖や雲海。知床も近いですし、空港からのアクセスがスムーズで、ゴルフ場もあるし、施設も揃っています。前に住んでいたところより充実していますね。仕事の環境さえ整えば、住みやすい町だと思います。

大空町の環境の良さに魅力を感じて家を建てていただいた方には、マラソンなど運動がお好きな本州出身のお客様もいるんですよ。

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ご家族の方との大空町の暮らしは、どうですか?

子育ての環境の良さは魅力です。3人の子どもたちとは、ワカサギ釣りに行ったり、見せて覚えさせるようなことだったり、大空町は一緒に動きながら成長していける自然と環境があることが良いなと思いますね。

都会の生活をニュースで見ていると、恵まれた環境で子育てできていると感じます。認定こども園ができたばっかりで、小学校も新しく、子どもたちにとっても良い環境です。公園に行っても人はいないですし、家の中や庭でものびのびと遊べます。家族同士も仲良くしていて、子どもたちも楽しそうに過ごしています。

今後や近い将来やりたいことはありますか?

私自身はまた地元に戻りたいと思っているんです。会社を大きくしたいわけではないのですが、十勝の出身なので、こちらの体制がある程度整ったら両方の地域で展開していけたらとも考えています。

そして、物づくりの好きな娘たちのどちらかを大工にしたいと思っています。体力面の差があっても、工夫することでできるようになります。女性の配慮や細やかさを活かして、新しい風を吹かせてくれると思うんです。
女性で設計を勉強している従業員もいますが、さらに今後も増やしたいという想いはあります。男性陣にガツガツ言い返してくれるくらいに育ってほしいです。

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最後に、行政に言いたいことは?

「定住をサポートする会」の初期メンバーでしたが、大人数で集まってやるよりも個別対応したほうがいいと感じました。もっとガツガツと直接関わってサポートしていける仕組みがあってもいいですね。

自分の好きな町を案内して魅力を知ってもらったり、住みたいとなったら繋いだりするなど、それぞれの得意分野で対応できることがあるので、地元に貢献したいと感じています。

株式会社 斉藤建設

住所 〒099-2323 北海道網走郡大空町女満別西 3 条 1 丁目 1-10
電話 0152-74-2224
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編集部あとがき

子供の頃からの夢を追いかけて大空町へ移住した佐々木さん。職人としてのプライドと、お客様の夢を叶えたいという情熱が溢れ出ていて、こんな方に建ててもらえたらどんなに幸せなんだろうと思いました。移住に欠かせない住宅。大切な住まいを考えている方が、移住前でも気軽にかつ真剣に相談できる人がいるのは、心強いですね。