2021 年に大空町にご夫婦で移住された小島拓さん。
京都の宇治で生まれ育ち、仕事の転勤で東京へ。そこで出会った北海道ご出身の美香さんと出会い、ご結婚。
10 年程東京に住んだ後、毎年休暇で来ていた北海道に移住することを決意。ご夫婦の夢を叶える形で、5 月にカフェ「晴耕雨読」をオープンしました。

大空町に移住されて、暮らしの違いは感じますか?

時間に追われない生活ができることが最大の魅力です。
収入は減りましたが、満員電車にも乗る必要がなくなり、精神的なゆとりや心の豊かさを得ることができました。

2018年に東京から移住して同じオホーツク管内の清里町で地域おこし協力隊の仕事をしながら将来の起業(カフェの開業)について考え始めました。
大空町は女満別空港があり、オホーツクエリアを訪れる多くの人が集まる場所なので、空港を利用される方など、たくさんのお客様に来店していただけるのではないかと感じていました。

自宅兼店舗でカフェができる場所を探していた時に、大空町の空き家バンクで見つけたのがこの物件です。
古い物件なのでもちろんリフォームが必要でしたが、自分たちの求める条件にぴったりで、ここでお店を始めたときの仕事や生活のイメージを持つことができました。

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別の町で協力隊をされていたとお聞きしています。

清里町では、町内を走る鉄道で釧路と網走を結ぶ釧網線(せんもうせん)を活用した地域の活性化に取り組んでいました。
趣味の鉄道を活かした活動は、北海道に移住したからこそできたことだと思っています。
協力隊の仕事が今年(2021年)の3月に終わり、引き続き北海道・オホーツクの地域おこしに関わりたいと思い、大空町に引っ越して地域の皆さんやオホーツクを訪れた人の憩いの場となるカフェを開業することにしました。

「晴耕雨読」の名前の由来を教えて下さい。

もともと北海道へは、旅行で毎年来ていて、本州にはない魅力を感じていました。
自然に逆らわない、理想の暮らし方とでもいいましょうか。
晴れの日は外に出て体を動かし、雨の日は家の中でできることをする。
それこそが北海道らしい、また、自分たちにふさわしい暮らし方なのかなという思いで、お店の名前を「晴耕雨読」と決めました。
夏は暑く、冬は極寒、四季がはっきりしている。
自然の厳しさを受け入れた上で、その恵みを享受するのが北海道らしい生活だと改めて実感しています。

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カフェを経営することになったきっかけは?

妻が料理好きで、両親や親戚も飲食店をやっていました。
そんな環境もあって、飲食店やカフェは身近な存在ではありましたが、自分たちの力で経営するのはもちろん初めてのことです。

ありがたいことに、プレオープンには応援してくださる方々にたくさん来ていただきました。
そこでペースをつかむことができ、何とか開店にこぎつけました。
今年(2021年)の5月2日にオープンしてからは、これまでお世話になった方々など、ご来店いただいた方がまた別のお友達を連れて来てくださったりして、口コミで広げていただいています。

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大空町の一番アピールは、どんなところですか?

女満別空港があって、東京や大阪から飛行機ですぐ来られる「本州から一番近い北海道」。そんな地の利が一番の魅力だと思います。そして、なんといってもスケールの大きさ。ちょっとクルマで出かけるだけで雄大で自然豊かな絶景が目の前に広がります。
日本最東端の水田がある町でもありますし、お米や野菜、果物など新鮮な農作物に恵まれた町、それが大空町ですね。北海道が稲作と畑作、そして本州にも負けないフルーツ王国になれれば素晴らしいと思っています。
「大空町」という町の名前も北海道らしくていいですね。

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行政にお願いしたいことはありますか?

移住者の方の中には、行政には助成金など、移住推進に係る制度(予算)はあるけれど、実際に来た人に対するソフト面でのサポートがいまひとつ、という思いをされた方もいるのではと思います。移住者も人、行政も人ですから、お互いが相手の目線に立って話ができる、そんな人と人との信頼関係が構築できるようなサポートを、移住行政に携わる方にはお願いしたいと感じています。

大空町の場合、私たち移住者の声を直接聞いてくれた実感がありますし、本当に移住してほしいんだなという行政の思いが伝わってきました。私は、移住・定住支援室の皆さんが、移住者と向き合い、信頼関係を築こうとしている姿勢を感じました。

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将来的にやりたいことはありますか?

女満別空港から車で5分と近いので、フライトの合間の時間に少し立ち寄ってもらえるような場所になれればいいなと思います。そんなお店として認知されたいですし、それが空港に近いお店の役割かもしれないですね。自分が旅をした時も、フライトの空き時間などに少し立ち寄れる場所を探した経験があります。

また、夫婦でやっているので、お互いがやりたいことをやってみたいという思いもあります。
私たちはただ単にカフェを出したかったわけではなく、ものづくりの基本である、手作りで丁寧につくったものでお客様に喜んでもらいたいという思いでこのお店をスタートさせました。オホーツク周辺にはハンドメイドや雑貨を売っている場所が少ないので、カフェの雰囲気を活かしてセレクトショップのようなお店をやってみたいという思いもあります。やはり周辺にお店自体が少ないので、選択肢を増やすことにも貢献したいですね。
また、「地域の鉄道とのコラボ」も考えたいです。車ではなくJRを利用して来店してくれた人に対するサービスやおもてなしができれば、窮地に立たされている地域の鉄道の活性化に少しでも貢献できるのではないか、そんな思いも持っています。

晴耕雨読

住所 〒099-2324 北海道網走郡大空町女満別西4条5丁目3−4
電話 0152-77-9971
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編集部あとがき

東京の暮らしに区切りをつけ、憧れの北海道生活をはじめた素敵なご夫婦でした!お互いの趣味である鉄道やハンドメイドを活かしたり、お二人の丁寧な暮らしぶりが見えたり、居心地のよい魅力的なカフェです。手作りのランチとデザートは、早くも地元で人気で、私たちも日替わりランチ目当てに、通っちゃいそうです。